またまた最近の諸々。

ツイッターにハマって、すっかりブログを放置。ハマっているとはいえ、そんなに多くのツイートをしているわけでもなく、読むほうが多いのだが、まあたまに書く時、ツイッターの140字というのは、誰が思いついたのか知らないけど、絶妙な字数だなと思う。おそらく心理学とかなんかそういう難しそうなリサーチでそう決めたんだと思うけど(予想)、それを絶妙だと思う私がここにいるということは、とても絶妙な字数なんだと思う。フツーの人間です。あまりにもフツーの人間なんです、私は。悲しくなるほどフツーです。


前回のブログ更新が5月22日なので2週間以上空いてしまいましたが、その間色んなことがあった。ライブはもとより、叔父が亡くなったり、『梅津和時、演歌を吹く。』の再プレスを作ったり、配送でトラブったり、灰野敬二ブルースバンドのリハがあったり、試写会に行ったり、呑みに行ったり、色んな地下活動をしたりと、ああ、まぁ色んなことがあったとはいえ、色んなことがない日常というのはないわけで、やっぱり悲しいほどフツーだなー、と思った。


ところで、今日はシンガーソングライターであるところの航さんのライブを観に行った。実は彼女の新譜『Do-Chu』のライナーを書いているのは私です。皆さん、買って、聴いて、読むんでください。ライブは素晴らしかった。完成度が高いというか、完璧であるというか、ストレートであるというか、手に汗握るというか、ツボであったというか、とにかく航さんのピアノもヴォーカルも、とても良かった。ドラムが植村昌弘で、彼のナイスサポートも光っていた。やっぱりライブはダイナミックでいいな。何にも代え難いが、唯一代え得るのはCDです。ぜひ聴いてみてください。


それでふと思い出したのだが、今出ている『Ulysses』という雑誌にレーベルオーナーのアンケートというのがあって、非道い回答をしています(特に最後)ので興味のある方は立ち読みでもしてください。いや〜ホントに我ながら非道いと思ったが、まぁそれがホンネです。でもなかなか個人レーベルの方々は似通った意見が多いですね。各々のご回答、興味深かったです。

最近の諸々。

最近やたら忙しくて、なにが忙しいのかとここ一週間の反省も込めて手帳を見返してみると、たいしたことを全然やっていない。こりゃ儲からないわけだわなーとあまりの無駄な忙しさに愕然としているのだが、無駄の多いことが人生にとって悪とされるここ最近の風潮には明らかに逆らっているわけで、あらためて自分の無駄な人生に感謝する次第であります。
私の人生は私にとって無駄であり、世界にとっては無駄この上なきものであります。むしろ世界は無駄で出来ていると言っても過言ではない。


ザイ・クーニン、大友良英、ディクソン・ディー/Book from Hell(dmf-134)のレビューがCDジャーナルにちいさく載っていました。曰く「周期的、反復的にではなく、輪廻的に繰り返し聴きたい一枚。」
って、意味が分からんぞ。レビュワーの田口くん。
そのつど違う聴き方が出来るという意味か? それとも来世の記憶にまでつながるという意味か? いずれにせよ悪い意味ではなさそうなので複雑に喜んではいるのですが。


ここ2年ほどでメールでやり取りがあった方には住所変更のお知らせのメールが行っているとは思うのですが、なんと昨日同じ住所番地が存在することが発覚。つまり東京都●●区●● X-Y-Z-501 というのが二件存在するんですね。うちもまだ郵便受けに名前のプレートを掲げてないし、先方も掲げてないのです。これじゃ郵便局員もヤマトさんも佐川さんも分らないよね。ひとつ荷物が届かなかったため佐川のおにいちゃんに問い詰めたところそういうことが発覚したのです。さっそく私の家にはプレートを掲げようと思った。ただ先方はとても忙しい方で不在時が多いらしく、佐川のおにいちゃんが先方の宅配ボックスに入れた荷物が届いたのは本日。佐川のおにいちゃん頑張ってくれました。感謝! でも先方も名前プレートを掲げてくれなきゃまた先方にオレ宛の荷物が行っちゃう可能性、あるよね。どうしたらいんだろ。


備忘録として最近行ったライブを書き留めておこう。
5/16 パド・コンカ、ハンス・コッホ、マイケル・ティーク、梅津和時(cl)、蜂谷真紀(Voice).
ゲスト「先カンブリア・クラリネット4重奏団」:清水一登梅津和時、近藤達郎、多田葉子 @新宿Pit-Inn。
5/20 JOJO広重大友良英 (山家暁子・急病のため欠席) @高円寺ペンギンハウス
5/21 梅津和時、演歌を吹く。 @橋本「杜のホールはしもと多目的室」。


スズキジュンゾくんからいただいたCD、みみのこと/調布江古田高円寺。最近毎日聴いています。この感じ、好き。

AAO / AMT。

シンガポールからザイ・クーニンとファズ・リーという二人の男が来日しまして、11日(火)に秋葉のClub Goodmanにて灰野敬二氏と、13日に吉祥寺Manda-La2にて大友良英氏と、各々共演いたしました。。彼らの名は Amino Acid Orchestra。本当はもう一人、シンバル、ゴング他パーカッションをプレイするシャーク・ファンという男がいるのですが、この度は諸事情により来日できませんでした。ザイによると「あいつはほんまもんのアホや。」ということになるのですが、今回の、二人にしてオーケストラとはこれ如何に。いやしかしたしかにオーケストラと命名したくなるほどの豊かなサウンドを彼らはプレイしました。
二日とも本当にいい演奏で、灰野さん、大友さんも彼らのことを絶賛しておりました。彼らも実に楽しそうでした。こういうのを各々から聞くのはブッキング担当冥利に尽きます。嬉しかった。私の力量不足でより多くの観客数を呼ぶことができなかったのですが、来ていただいた方々にはお楽しみいただけたと自負しております。灰野さん、大友さんには必要以上に気を遣っていただき全くありがたい限りです。

9日から三泊四日で、彼らは私の新居に泊まっておりまして、この時間も非常に楽しかった。私は英語が非常に苦手でありまして、全く四苦八苦のブロークン・イングリシュを駆使しつつ、まぁ最後の方は面倒くさくなってほとんど日本語で喋ってたら彼らの方がより日本語を喋るようになったという逆転現象も垣間みられ、まったりとした文化交流も芽生えたわけであります。色んなことを話し合いました。果ては主にザイと哲学的/文化的な議論にまでなるという充実した「イザカヤ」談義も堪能したり、三人でギターを持ち替えつつ夜中まで歌ったりと、私自身が大変楽しませてもらった。ザイとファズにも大感謝です。

そんなアミノ・アシッド・オーケストラを組織するザイ・クーニンと、大友良英、ディクソン・ディーがシンガポールでガッツリ即興演奏をした記録 "Book from Hell"(dmf-134)がいよいよ発売です。ア●ゾンでは、またまた十八番の発売日予約完売。ア★ゾンの初回オーダー係ってのは学習能力ないんでしょうか? バカですか? 毎度毎度。購入希望の方はダウトミュージック直売部もしくは各々のCDショップでご購入下さい。

ファズはアシッド・マザーズの大ファンでありまして、14日(金)にこれまた秋葉Club Goodmanで行なわれたアシッドマザーズの全プロジェクト出演という偉大なる「アシッド・マザーズ大合戦 2010」に一緒に行きました。4台のドラムセットがステージに置かれ、総勢10名のメンバーが入れ替わり演奏する(トータル4時間以上!)というサイケデリックでアシッドなイベントは、さすがに満員電車状態で大盛り上がりでした。外国人率非常に高し。ファズもとても満足そうでしたが、さすがに疲れておりました。オレも疲れたけど、濃密すぎる4時間(以上!)の演奏でありました。

田中啓文さん。

作家の田中啓文さんから嬉しいメールがまた来ました。ご本人の了承を得てまたこちらに転載したいと思います。
田中啓文さんの本はこちらで。芳垣アニキとかが出て来たり、ジャズに詳しい人には思わずニヤリとさせられる箇所とか、沢山あります。是非お読み下さい。
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%93c%92%86%8C%5B%95%B6&x=0&y=0


沼田順さま
いまさらですが、rostbestandige Zeitの感想を。
とにかく購入してから相当のヘビーローテーションで聴いていますが、まったく飽きませんね。これはすごい。1枚目の即興編も、2枚目のコンポジション編も
ほとんど差異なく聴けます。あまりに気持ちいいんで、ちょっと中毒になっているみたいです。個人的には今年のベスト「ジャズ」アルバムですね。とにかく聴
いてるとウキウキと楽しいんです。もっととんがった、過激な即興かなあ、と勝手に思っていたのですが、聴いてみると、まさに人間味あふれる演奏でした。今
度出るザイ・クーニンのアルバムも相当楽しみにしております。取り急ぎ感想まで。
田中啓文


"rostbestandige Zeit" とは、これです。http://www.doubtmusic.com/dmf-132-133.html

新事務所。

4月18日以来のご無沙汰で、ブログを長いこと放置しておりましたのも、ツイッターを見るのが楽しくてついつい140字という制限に書き込まれる(つぶやかれる)人間の深い業に興味が行ってしまい、私のように長々と文章を書くネチネチした性格に反省を加えるためであったというのが一点と、12年ぶりに引越しをしてそれが地獄のような日々であり、配偶者と二人で毎日遠くを見つめながら気を失いつつおびただしい量のゴミと本とCDとLPなど人生にとって全く役に立たないモノどもを梱包し片付けていたという、以上の二大理由によるものでありました。引越し翌日にヘルパーに来てくれた呑み仲間のU井のおかげで片付けには勢いがつきました。U井のギャラは「アストロ球団」全5巻(大田出版)であった。ありがとう! 皆さんにおかれましては晴天のゴールデンウィークをさぞ堪能されたことと思います。


さて引越しです。家を売りまして、これが購入価格より高い値段で売れまして、そこそこ儲けてしまいました。人生どこに幸運が転がっているか分らないものです。だからといって簡単に奢ったりはしませんのでご承知おきを。
これからは賃貸住宅となり晴れて、固定資産税、ボーナスローン返済、修繕積立金、各種保険料、等々から解放されるに至りました。家は買うもんじゃないです。住むもんです。莫大な利子を払い続けるのもホントにバカみたいな話であります。あー、スッキリした。添付写真は未だ片付かぬものたち。ダウトミュージック新事務所内。和室です。落ち着きます。


ようやくこの界隈を散歩する程度には余裕もできて、毎日散歩しております。新しい街は新鮮だ。前住居からさらに東京の東に移り、下町風情を堪能しております。韓国人、中国人、インド人がやたら多いです。祭りも盛り上がります。インドのセレブと友達になりたい今日この頃。ダウトミュージックに資金援助をしていただきたい。


公式には5月16日発売のZai Kuning + Otomo Yoshihide + Dickson Dee / Book from Hell (dmf-134) の予約も開始しました。もう完成しておりますのですぐの発送も可能です。新住所などの社印(!)とかまだ作ってないので手書きで発送します。よろしくお願いします。

自力配信。

最近そこここで話題なのが、七尾旅人くんが始めた「自力配信」。
http://www.tavito.net/kensakushounen/
これはツイッターで小野島(大)さんに問い詰められて(笑)、私は自分の意見をつぶやいたのだが、FMNの石橋さんも多分私と全く同じ意見。
http://fmn.main.jp/wp/?p=2239


こういった形の音楽の供給によって、レーベルとかショップは意味をなさなくなる。音楽家とオーディエンス・音楽購入者の全うな関係性が戻ってくる。これは素晴らしいことだ。
楽家が得るべきカネを、レーベルとかディストリビュータとかショップとかJ○SRA○が中間搾取のような形で儲ける構図は、なくなってゆくに越したことはない。ライブはダイレクトに、小屋を貸した人、観に来た人、演奏した人、という実にシンプルな構造であるけれども、「自力配信」はそれに近い。
レーベル(含・出版社)というのは、過去ものすごくえげつないことをさんざんやってきた。やれ原盤権だのやれ複製権(メカニカル・ライツ)だの著作権管理だの、あり得ないほど複雑にせこい権益を主張し、音楽家に入るべきものを搾取して来た。もちろんレコード会社も利益のためにやらざるを得ない部分があるのは理解できる。だがしかし、それを法的に正当であることを盾に、「搾取しておりません」という主張は人道的に誤っていると私は思う。法的には正しいけど。つまり才能ある音楽家も法に騙されてその才能に見合った収入が得られないという構図だ。「才能に見合った収入」がいったいどの程度か、よくわからんけど。


と、ここまで書いて、私もレーベルをやっている人間なんだ、と気付かないほど私も馬鹿者ではなく、実際どうしようかと思っているのである。ツイッターで小野島さんに回答したように、配信とパッケージソフトはそもそも別物であるというのが、まぁ今のところの唯一の依りどころなのだが、財産を売却しなければならないほど、生活とレーベル維持は厳しい。LPからCDへの移行(80年代)は、様々な問題を抱えつつも比較的スムーズに行ったと思えるが、今回の事態は、音楽をとりまく構造が根本的に問われているような気がする。音楽家も、レコード会社も、ショップも、みんな考えざるを得なくなるんじゃないかな。


とりあえずは七尾旅人全面支援である。不健全な音楽販売/音楽業界に一石を投じたと私は思っている。これから様々な問題が出てくるとは思うけど、是非頑張っていただきたい。私はまだしばらくパッケージソフトで頑張ってみようと思う。コケたらコケたときにまた何か考えることにする。

多忙。

公私ともども非常に忙しいのである。特に「私」のほうが。
まだ書けないのだが、そのうち書きます。別に不幸な話とかではないのでご安心を。


そんなクソ忙しい中、思わずツイッタ―なるものを始めてしまいました。
cisumtbuodという名前です。doubtmusicを逆さに読んだだけです。こういうのをこのクソ忙しい時期に始めるのはいかがなものかと思いますが、まぁ私の人生は往々にしてそういう感じです。ただ、なにをつぶやけばいいのかが判然としません。「腹減ったナウ」とつぶやいて、それを人々が見て、「へ〜、腹減ってるんだ」と思う事態、及び社会性の意味がまだあまり理解できていません。ならば、つぶやきは重要な案件でなくてはならないのか。いや、それは違うのであろうという辺りまではなんとなく分りました。
新たなメディアは常に理解するのに時間がかかるのです、私の特徴として。まず最初はケッとかいって疑ってかかる。それから遠巻きに眺めるようにして(ツイッタの場合は登録せずに様子見)、それから世の流れにも多少ついて行かなければと実行する。常に敗北感が大きいです。
それにしてもそういったメディアの発達は、新たな社会性を生む一方必ず何らかの危険性をもはらんでいるのが世の常です。人々がおおきく世の流れに移行する時、ちょっと待った!という人がいないと世の中のバランスが取れないです、実際。ちょっと待った!の人の発言に耳を貸さないとものすごく怖い世の中になってしまうです、ハイ。


いずれにせよツイッターを始めたナウ。