mn『無理難題』

8ヶ月ぶりのブログが自分の宣伝になるとは予想だにしていませんでしたが。

mn / 無理難題(doubtmusic / dmf-153)2014年4月16日発売!

世界に名だたるノイジシャン・T.美川(インキャパシタンツ、非常階段、他)とダウトミュージック主宰者・沼田順が制作した自信作。問題作。大傑作。ガチな騒音地獄があなたの脳みそのシワを確実に減らす!!! ←帯の文章

 美川さんと演奏するのは本当に楽しくて、美川さんのエレクトロニクスから繰り出される実に多彩な音は否が応でも何らかの新鮮なインスピレイションを喚起させてくれる。しかも美川さんと私は「音の佇まい」みたいな好みがどうも似通っているみたいで、例えば録音時も「今の演奏イマイチだったからもう一回録り直そうか」みたいなことはあり得ないのだった(唯一最初に録った「練習曲」と称したサウンドチェック的な演奏はCDにする際オミットしたが、これも十分視聴に堪えられる音源である)。本作は「mn」の第一回目の複製作品としては素晴らしい出来映えであると確信している。自分の作った音であるわけだから当然自分の好みの音が全面的に出るのは当たり前のことであって、世間的に何と言われようが全く気にしない(いや、ちょっとは気にしたりするが)。でもこのサウンドを「好きだ」と言ってくれる人が多くいてくれれば、それほど嬉しいことはない。よろしくお願いします。(沼田順(mnのnの方)←今日作ったディストリビュータに向けた文章

mn / 無理難題 プロモーション・ムーヴィー → http://www.youtube.com/watch?v=s0UWnv_13Oc

mn = T.美川(エレクトロニクス/右チャンネル)、沼田順(ギター、エレクトロニクス/左チャンネル)
※ 6曲目のみセンターに寄せたミックス。濃縮状態。

1. force (10:20)
2. poser (10:02)
3. intercept (7:07)
4. pangs (8:55)
5. difficulty (12:51)
6. problem (7:27)

録音:2014年3月2日/於:studio ZOT
録音/ミックス エンジニア:久恒亮
マスタリング:沼田順
デザイン:鈴木聖

即興のライブに立ち会う時、ほとんどがつまらない出来映えで、それは「即興というものはそういうものなんだよ」と言われてしまえばそれまでなんですが、ものすごくストレスがたまります。そのストレスがどこに起因するのかと考えてみた時「オレならこう演奏するのに…」というのがあるんです。その心境がピークに達して、去年から自分で演奏するようになりました。本当は自分一人で演奏する(いわゆるソロ)のが最もストレスがなく自分の好きな音を出せる最善の環境なのですが、逆に自分一人で出す音というのにはある限界があって、自分のコントロール下にある楽器の出す音はある程度結果が見えてしまったり、全く別の方向から予期しない音が聴こえてくるアクシデント部分がなくなってしまったりというジレンマもあるわけです。
そんな時に、たまたま美川さんに誘っていただいて出演したのが、早朝5:00開演という気の狂ったような四谷アウトブレイクでの演奏でした(本来はインキャパでの出演依頼で小堺くんの都合が付かなかったので私が誘われた形となった)。予測としては「ある程度面白くはなるだろうな」というのがあったんですが、実際二人で演奏してみて、予測以上の、もの凄い充実感を感じました。その前に何度か美川さんとサシで呑んだりしている時に「どのような演奏にするか」みたいな相談というか打ち合わせはあり、二人とも酔っぱらっているので詳細は忘れていますが、根幹は二人とも覚えていました(それはヒミツですが)。
ライブする前からユニット名も決まり、ロゴ作ってTシャツも作ろう、ステッカーも作ろう、CDも作ろうなどと盛り上がっていたんですが、今回ついにCD制作に漕ぎ着けました。doubtmusic史上最短の録音/ミックス/マスタリング/ジャケット制作となりました。だからといって手抜きは一切ありません。美川さんとのユニットであるが故にそれが可能になったと思います。美川さんに本当に感謝です。
音楽評論、もしくはショップのジャンル分けなどで「ノイズ」「即興」「アヴァンギャルド」などというのがありますが、単純に言ってしまえば、私は「ノイズ」はその音の質感を表し、「即興」はその音の方法を表し、「アヴァンギャルド」はその音の歴史を表していると思っています。一緒くたに語られがちですが、mnはそれらを全う/包括する故、結果としてなんとも言いがたいサウンドになりました。私にとってはすごく心地の良い音です。何と言われようがかまいません。私も美川さんも、このサウンドと佇まいが凄く好きなんです。
ということで、みなさん買って聴いてね!