広瀬淳二・静寂。

まだフェスの余韻を引きずっている。フェスが終わったら一気に気が抜けて風邪でもひくのだろうなという当初の予測とは打って変わって、なにかますます考えなければならないことが山積した感じで心地の良い緊張感は保たれたままだ。これは自分にとってはとても良いことだと思いたい。


広瀬淳二のCD "the elements"は、少なくとも買っていただいた知人たちからは好評である。いや、聴いてビックリしないはずはないのだ、広瀬さんの音は。昔から広瀬さんの音を知っている人にとっては、「広瀬さんの音、全然変わってないな〜」というどちらにも解釈出来る(笑)感想だと思うが、購入される方の中には広瀬淳二のことを知らない人も多いはずなのだ。そういう人にこそ広瀬淳二の「サウンド」を聴いていただきたいのである。この無愛想で無邪気で豊かなサウンドをば。どう聴いてもいわゆるフツーの「サキソフォン・ソロ」とは違う。それは火を見るよりも明らか。是非お買い求め下さいな。


そして次は10月11日発売
静寂/Mail From FUSHITSUSHA (dmf-136)
静寂/You Should Prepare To Survive Through Even Anything Happens (dms-137)
です。静寂は、灰野敬二ナスノミツル、一楽儀光の三人によるバンド。そのスピリッツはブルーズ。静寂な音から始まるMail From FUSHITSUSHA、一転して灰野さんの叫びから始まるYou Should Prepare〜。この二作品はいわば双子のようなもので、どちらが欠けてもダメです。ダメなんです。それは聴いていただければ分ります。音楽にある程度詳しい人だったら分ります。とにかく10月11日発売。そろそろウェブサイト新譜コーナーも更新して詳細な情報をお知らせしなければと思っている今日この頃。よろしくお願いします。

なお中部・関西方面で発売記念ライブがあります。

10/8(金)名古屋 Tokuzo 18:30 開場 /19:30 開演
前売¥2,500 当日¥2,800

10/11(月・祝)大阪 鰻谷 燦粋18:00 開場 / 19:00 開演
前売¥2,800 当日¥3,300(w / オシリペンペンズ

10/12(火)京都 Club Metro 18:30 開場 / 19:00 開演
前売¥2,300 当日¥2,800(w / オシリペンペンズ、したっぱ親分)

Ftarri doubtmusic Fes 終了。

濃い三日間(18,19,20)のフェス@スーパーデラックス、無事終了しました。来ていただいた方々、出演していただいたミュージシャンの方々、ボランティアスタッフの方々、マイクはじめ、SDLXのスタッフのみんな、ホントにありがとう!! おかげさまですごく面白いフェスになったと思います。私自身が大満足しております。


IMJ・鈴木さんがブログでも語っておりますが、初日はdoubtmusic、二日目はFtarri、そして三日目はこの二つのレーベルの共同というブッキングだったのですが、どれもこれも、ホントに音楽の内容が良かった。特に初日の、私がオーガナイズしたセットはとにかくエレクトロニクス奏者が多く、テーブルの上にややこしい機材やエフェクタを用意する関係で、異常な数のテーブル数になり、一時はどうなることかと焦り、近くに住んでるナンシー(PA関係エンジニア/可愛い女性)に相談を持ちかけ、色々とアドバイスを受けて、何とかなるかもなどと思いつつまだ半分くらい不安を抱えてたらなんとナンシー自身が当日に手伝いに来てくれることになり、彼女のおかげでものすごく助かったという経緯があります。初日は彼女がいなかったらあれほどまでにスムーズに行かなかったでしょう。ステージ上はバミる白テープがそこら中に貼られて、しかも出演者が使用する機材がずらりと並べられたテーブルの並びには慄然としました、というか失礼ながらあまりの多様なエレクトロニクス関係(自主制作楽器含む)に、思わず笑みがこぼれてしまいました。ナンシーにはホントに大感謝!
そんなわけで初日が終わった時点で私の仕事は半分以上片付いた気がしており、後の二日間はさほど神経を使うことなく存分に楽しめました。一楽さん(ドラびでお)にも助けられたな〜。オレが忙しくて神経ピリピリしてるときの絶妙なタイミングで破壊的なギャグをオレにかましてくれる。あれで、どんだけ救われたことか。一楽さんにはドラびでおと静寂のふたつに出演してもらいましたが、二日目も観客としてフルで来てくれて、多分このフェスを思い切り一番楽しんでいたのは一楽さんなんじゃないかな。一楽さん、ホントに感謝してます!!


一件大成功に終わったかに見えるフェスでも、問題点や反省点も続出しました。まぁ細々したことも多いのですが一番の問題はやはり「カネ」の問題。正直言って赤字でした。6桁の赤字。これをIMJの鈴木さんと折半でカブる羽目になりました。音楽内容とか進行、企画に関しては(自分で言うのもなんですが)大成功であったと自負しております。しかし経済面においては大失敗。ここを上手くカバー出来るノーハウを身につけなければならない。別に莫大に儲けるつもりは全くなくて、でもせめてトントンくらいにはしたいところです。少なくとも赤字だけは避けたい。かといってなんとかフェスみたいに人気投票で出演バンドを決めたり、愚か者が食い付くような安易な企画は絶対にしたくない。そこのバランスをいかに上手く取って行くか。
カネの力に擦り手をするようなマネは音楽にとっては半ば冒涜のようなもので、でも音楽と言えども経済が基盤にある現状です。その絶妙なバランス。正解はないのだけれど、色んな企画を見ていると魂を売っているようなものもすごく多い昨今です。
難しい問題です。なんとかしたい。そして来年もやりたい。そのモチベーションはやっぱり最終日の打ち上げでした。まさにこれを堪能するためにオレはやっているのかも、と思えるくらい楽しかった。灰野さんまで出席してくれて、もう感無量です。もちろん初日や二日目の方々は来れなかったし、みなさん忙しいのでフェス途中で帰らざるを得ないスケジュールの方もいるのが残念ですが、やり遂げた感が一番実感出来るのが、打ち上げです。


来年もやろう。そして今年よりもっと上手くやろう。今から計画立てよう。まずは打ち上げの計画から(笑)!

のろのろとブログ再開。

結局この夏は一度もブログを更新しませんでしたが、本日からのろのろと再開しようと決意いたしました。ツイッターは結局楽なので、どうも私は楽な方に傾いてしまいます。相変わらずダメな性格です。
しかしなんとはなしに、なんとなく、ゆるゆるとブログの方も更新していきたいと考え始めました。まずはこんな告知からですが。やっぱりラクなコピペだったりする。


FTARRI DOUBTMUSIC FESTIVAL

2010年9月18日(土)、19日(日)、20日(月・祝)
三日間ともに 開場 14:00 / 開演 15:00 / 終演 21:00〜22:00
六本木 スーパー・デラックス

三日間フリー・パス・チケット = 予約:10,000円 + 各日 1 drink/当日(18日):11,000円 + 各日 1 drink
一日チケット(各日) = 予約:4,000円 + 1 drink/当日:4,500円 + 1 drink

ご予約は(www.super-deluxe.com)又は携帯専用サイト(www.sdlx.jp)からお申込下さい。E メールにより確認のご連絡を致します。
FAX申込の場合はイベント名 (FTARRI DOUBTMUSIC FESTIVAL) &日程/お名前/人数/電話番号又はFAX番号を明記の上、03-5412-0516へご送信下さい。

3日間通し券のご案内
ご予約は件名を「FTARRI DOUBTMUSIC FESTIVAL通し券予約」とし、本文にお名前、人数、お電話番号を明記の上、ftdo@super-deluxe.com まで

予約の締切は、三日間フリー・パス・チケットが9月17日18時、一日チケットは各日ともその前日の18時となります。


会場にてCD、グッズなどの販売も充実。毛利悠子デザインによるftaRRidoUbtmUsicfestivAlのT-シャツも販売します!


問い合わせ
Ftarri 電話・FAX番号 03-6677-0117 / info@ftarri.com
doubtmusic 電話・FAX番号 / 03-6803-2604 / postmaster@doubtmusic.com

主催
Ftarri www.ftarri.com
doubtmusic www.doubtmusic.com


18日(土)
$(Absolute reference = 康勝栄, 美川俊治, 佐藤守道, 川口貴大, 弘中聡)
ドラびでお
FEN大友良英, ヤン・ジュン, ユエン・チーワイ, リュー・ハンキル)
今井和雄トリオ (今井和雄, 伊東篤宏, 鈴木學)
巻上公一 + 清水一登
Mats Gustafsson + 吉田達也 + α
teneleven(ナスノミツル + 渡部沙知子)
PRAED (Paed Conca + Raed Yasin)
sim (大島輝之, 大谷能生, 植村昌弘)

19日(日)
Active Recovering Music(大蔵雅彦スライドホイッスルアンサンブル)
Eddie Prevost + Sachiko M
畠山地平 + 水谷聖
helll(飛田左起代, 安永哲郎, asuna, Jason Funk, Jeff Fuccillo)
Hello(川口貴大, 山口晋似郎, 神田聡)
John Butcher + 中村としまる + 秋山徹次
佳村萠 + 秋山徹次 + 宇波拓トリオ
村山政二朗
梅田哲也
山内桂 + 石川高 + 齋藤徹

20日(月・祝)
広瀬淳二
宮本尚晃
向井千惠 + Tetragrammaton(TOMO, Cal Lyall, ノブナガ・ケン)
ナンバ・ジャズ (山本精一, 芳垣安洋) + 梅津和時
SEIJAKU (灰野敬二, ナスノミツル, 一楽儀光)
杉本拓
SXQ (松本健一, 吉田隆一, 立花秀輝, 藤原大輔, 木村昌哉)
Tim Olive + Anthony Guerra + 大城真
梅田哲也 + テニスコーツ(さや, 植野隆司)

※ 出演順はブログにて一週間ほど前から発表いたします。
( http://d.hatena.ne.jp/ftaRRidoUbtmUsicfestivAl )

久方ぶりの京都。他。

忘れないうち、書いとこ。
18日(金)大友良英 + 一楽儀光 + 千住宗臣/GTSVL @ 京都shin-bi。約一年ぶりの京都。着いた瞬間雨だった。いつものコースでParallax Recordsに寄って、5万円くらい支払ってもらって2万円くらいCDを購入。そこからshin-biに向かう途中土砂降りの雨。おかげで靴の中びしょびしょ。2台のドラムということで組まれた二組だと思うけど、shin-biは7月でなくなっちゃうので田村くん(shin-bi総統)もヤケクソ気味で面白いイベントを組んでる気がする。そのヤケクソ気味のパワーはすごいな、と思う。それが伝わったのかどうなのか、二組ともヤケクソでパワフルな演奏だった。会場も多少暑かったのか、出演者全員汗だくで、見ているこちらも心地良い汗をかいたようないい気分になりました。
京都、楽しかった! 吉田屋! 如是菴! サイコー。
19日(土)新幹線で東京に戻って来たその足で秋葉グッドマンへ。DoraVideo企画の「コラボレーション・ブレイクダウン」(DoraVideo、クリトリック・リス、佐伯誠之助、L?K?O七尾旅人)。クリトリック・リスは注目していたものの今回のライブが初でした。激しく心打たれました。スギム氏の心の暗黒とオレの心の暗黒が共鳴した。大ファンになりました。CDぜったい買います! いつ出るんだろ。
20日(日)一昨日新幹線の中で原稿を手書きで書いてたら揺れに酔ってしまって気持ち悪くなったので、昨日もそれは止めとこうと思って新幹線の中では本を読んでた。久石譲養老孟司の対談『耳で考える ー 脳は名曲を欲する』。ありきたりであまり面白くなかったけどちょっとだけ久石譲さんに対する偏見が取れました。そんなわけで今日こそは原稿を仕上げなければならないので一日中机に向かってた。しかし終わらず。あきらめて夜は吉祥寺のdzumiへ吉田アミちゃんの「ひとのおと、大友良英を斬る」のイベントの懇親会にのみ参加。そう、ビールが呑みたかっただけです。ガブガブ飲みました。知った人々もたくさん参加されており、さらにガブガブ呑んだ。


最近言葉の神様が降臨してくださらず、原稿書きに苦心しております。嗚呼、うまく言葉にならない。考えれば考えるほどドツボにハマります。思うに私は頭の切り替えがとても下手なんだと思う。「原稿書かなきゃ」と思うと始終それが頭を支配している。どうしよう、どうしようとか思っちゃって。で、結局原稿も書けないわメシも旨く食えないわ音楽も集中して聴けないわで、その悪循環なのだ。頑張って絶対今日終わらす!

私が行けないライブの告知など。

なんかくやしいのですが、用事がなければこれに行くでしょうというライブ。
17日(木)@明大前キッド・アイラック・アート・ホール/広瀬淳二、芳垣安洋、中村としまる
18日(金)@高円寺ショーボート/ナスノサンライズ
ナスノミツル+渡邊琢磨 a.k.a. COMBOPIANO+ Hair Stylistics a.k.a. 中原昌也中村達也
ナスノミツル中村弘二沼澤尚
teneleven =(ナスノミツル+山本達久(ds)+坂口光央(key)+南方美智子 (key) )


両日とも多分すごく面白いでしょう。ヒマな方もヒマじゃない方も是非! 私は木曜の夜は都内某所で緊急講義、金曜の夜は京都某所で観客をやります。


それからいま発売されてるドラムマガジンに山本達久+千住宗臣のインタビューが掲載されております。『a thousand mountains』(dmf-131)の1曲目 "Chronoscope Fatigue"の別バージョンを始め、計4曲のドラム・デュオが聴けます。これを聴いて気に入った人は『千山』も買ってください。4649。

Book from Hell

mixiのdoubtmusicコミュニティより転載します。


すっかりツイッターばかりやっちゃってて、mixiをおろそかにしておりました。ブログもおろそか気味です。おそるべしツイッター

発売インフォをサボってしまって申し訳ございません。去る5月16日にザイ・クーニン(シンガポール)、大友良英(二本)、ディクソン・ディー(香港)というアジアの3人による、オール・フリー・インプロヴィゼイション・アルバム『BOOK FROM HELL』が発売になっております。ア○ゾンでは着々と売上を伸ばして来ております。ろくな宣伝活動もしていないのに、ありがたい限りであります。やはり皆さんショップに行って購入するよりア○ゾンで購入される方が増えて来ているのだなあと実感します。

さて、各音楽誌から無視されまくっておるこのアルバム(CDジャーナルだけは田口寛之さんがレビューしてくれました。意味があんまりわからないけど)、実は理由は74分一曲の即興、というところに理由がありそうです。編集やレビュワーはそんなん聴いてられるかなどと思っているかもしれません。

CDを購入され、いざ聴く段になったら、74分覚悟してください。途中で止めそうなときはむしろ聴かない方がいいでしょう。74分時間が取れる時に聴いていただきたいのです。この音楽の良さは74分通して聴かないと伝わりません。ケータイの電源も切っていただきたいと思います。邪魔されないように。

また、フルヴォリウムで聴いてください。マスタリングでのレヴェルが若干低めなのはダイナミクスを生かすためです。余計なコンプをかけておりません。つまり現場に近い音です。微細な音がたくさん入っています。観客の咳とかザイのピパの始まりとか、よーく聴くと誰のだか知らないけど足音まで聴こえます。

そういう一切を含めて、とてもいいCDだと思っております。ジャケの絵はザイによるものです。同名のコンサートのポスターの原画だそうです。ザイに「ジャケにタイトルとか入れていいか」と訊くと「ジャケには一切文字を入れちゃいかん。もし文字を入れるならインナーの紙に」ということで、まぁせめて帯くらいはいいだろうということでダウトミュージック初の帯付きです(英/日 ハイブリッド仕様)。

ア○ゾンには現在在庫1枚。けっこう売れてるのにまとめて在庫をとってくれません。確実に入手されたい方はダウト直販部へ。http://www.doubtmusic.com/mart/mart.html

よろしくお願いします。