GOKサウンドにて。

春頃にザイ・クーニン、大友良英、ディクソン・ディーの3人による "Book from Hell"というCDをdoubtmusicよりリリースします。一昨年大友良英シンガポールに行った時の録音です。そのマスタリングをGOKで大友良英と一緒に。エンジニアは近藤さん。
ダイナミックレンジがとても広く、繊細な音が多数入っているので、思うに近藤さんが一番苦労したのはミックスなのではないかと思います。そのミックスを聴いた時、ほぼこのままの音で良いのではないかと思ってはいたのですが、近藤さん的にはマスタリングで調整できる部分を残していたらしく、一通り聴いた後に、完璧だ。と思いました。といいうわけでサクサクと進行した。一部クリッピング・ノイズらしき部分が認められたので確認したところ、実際に演奏している音だった。
大友「あーこの音、オレがドラム叩きながらターンテーブルも一緒に叩いてるから針の音だ。」
オレ「もー、ややこしい演奏すんなよ〜。」
というわけで無事解決。素晴らしい演奏が記録できて作品として世に出せるということは全く嬉しいことです。ゴールデンウィーク辺りに出せますので、楽しみにしといてください。


と、その前にはアクセル・ドゥナー(tp)、井野信義(b)、今井和雄(g)、田中徳崇(ds)という二枚組をリリースします。二枚組中一枚は完全即興、二枚目はアクセルのコンポジション集。これも素晴らしい内容。ジャズです、ジャズ。これをジャズと呼ばずして何をジャズと呼ぶのかというほどジャズな演奏。でもまぁまた「これはジャズじゃねえ」というジャズ原理主義者というかフリージャズ原理主義者が当然出現するでしょうね。そういう人には「ええ、ええ、ジャズじゃございません。ごもっともです。」と言って対応する他ないでしょう。半ば宗教じみたそういった思考回路と論争する気は全くございません。本気で論争したら私が勝つに決まっているので。ただメンドクサイだけなんですよ、いちいちそういうのと付き合うのが。何と言っていただいても結構。3月にリリース予定。こちらも鋭意進行中。


さてGOKでマスタリングを終えたと思ったら、引き続き大友くんはGOKで映画音楽の音入れがあるということで、加藤監督も来られたのでちょっとだけ見学させてもらった。『アブラクサスの祭』という映画です。10月頃公開らしい。で、今日はノイズ録り。ノイズ録りて...。
映画に音楽を付けるという現場を初めて見させてもらいました。楽しい。楽しすぎる。まぁノイズ録りなので楽しかった、というのもあるのだけど、さすが大友良英、この道のプロフェッショナル。映像を観ながらガギギギだのギョイーンだのと、ギターをかき鳴らして音を付けて行く。この映画、公開がとても楽しみ。すごく面白そうです。