大里俊晴氏。

17日夜中に評論家/大学講師・大里俊晴さんが亡くなった。大里さんといえば古くはガセネタのベーシスト、最近では青山真治の映画「AA」のインタビューアや製作に関わり、「その手の」音楽、特にフランスものには造詣が深く、あまりの造詣の深さに舌を巻くほどだった。私が彼と知り合ったのは何年前でどのような経緯で知り合ったのかが定かではないのだが、多分ディスクユニオンに勤めている頃にレコードを買いに来られた時辺りだろうから'92年頃だろうと思う。その後、彼がFM東京musicbirdでやっていた番組にゲストで数回誘ってもらったり、彼の講演を聴きに行ったりしていた。
大里さんとは何故かよく道でバッタリ会うケースが多く、その度に必ず「じゃ、コーヒーでも呑んで話でもしよか。」ということになる。このひとときがホントに楽しかったのだ。最後に道で会ったのは2005年5月23日だ。ちゃんとオレのブログに書いてあった。
昨年6月に彼からメールが来て自分はガンであるということが書いてあり、ショックだった。そのメールの内容はもちろんここでは発表出来ないが、オレにはもっと大里さんに恩を返す義理が実はあったのだった。それだけが心残りなのだ。お世話になりっぱなしだったのだ。訃報を聞いて激しく後悔した。


本日彼のお別れ会に行ってきた。ものすごい人数が彼のお別れ会に来ていた。「お通夜」ではなく無宗教風の「お別れ会」だったので、ひとりひとりの献花である。壇上に飾られていた大里さんの写真は黒メガネを外した、優しい顔のものだった。もっともオレは大里さんの顔は黒メガネではなく、素の印象の方が強い。


多くのミュージシャンや評論家、編集者などが集まり、知った顔も多かった。さすがにあれだけ人数が多いとしんみりともせず、大里さんのコレクションや造詣などに関しての話題が多かったのも、大里さんのお別れ会らしくて良かったと思うが、まだ実感が湧かないのも事実。


謹んでご冥福をお祈りいたします。