JAZZ ART せんがわ。感想文。

三日間(6/12-14)、スタッフとして物販に関わって、色々と見えてきたことがあった。
まず、こういったフェスは楽しい!! めちゃくちゃ楽しい!! あまり大きすぎてもダメだし、小さすぎてもダメだし、このくらいの規模のフェスがちょうどいいんじゃないかな。ひとりの人間の能力で全体も見渡せるし、親密感も増すし。ビラに印刷されたスローガン「野生に還る音」「親密な関係」「生きる芸術」というのはほぼ達成できる空間を作り上げていた感じがする。
難点はやはり仙川市の主催なので、いい加減なことが絶対に許されないこと。つまり運営綱領のようなものからちょっとでも外れると、スタッフがおろおろしてしまう/コミュニケーション拒否の脆弱さ。特にせんがわ劇場の、消防法に則った入場者数制限はどう考えてもオカシい。お客さんにとっても。演奏する側にとっても。しかしこの辺は総合プロデューサ、巻上さんが少しずつ改良して行くだろう。来年はもっとユルくなるだろう。
三日間、全てのステージを観ることができた。といってもお仕事もあるので、ステージの最初から最後までは観れなかったものも多数ある。白眉はドラびでお灰野敬二デュオにおける、ドラびでおのドラムセット破壊、コブラでのジム・オルークのダンス、か。
演奏自体はどのセットも皆、気合いが入っており、レベルが高かった。屏風を移動しつつ行われるCLUB JAZZ屏風も、ゲリラ的で楽しい。
キーワードは「子供」かな。子供はピリピリした「オトナの」空気を和ませる緩衝剤だ。梅津さんが初っ端にフリーキーなアルト・ソロで演歌を始めた瞬間、静かな観客席で子供が泣き出した。実にグッドタイミング! これで、演奏者も観客席もリラックスできるし、余計な・妙な緊張感は薄れる。それから物販コーナーでは巻上さんの息子・小学2年が実にいい役割を果たした。子供が居るとトラブルは皆無。子供が居る人はちゃんと子供を連れてくるべきだ。子供は音楽の分類やカテゴリーなんか気にせず、面白い音に反応するので、見ていると面白い。音楽をカテゴライズしたり蘊蓄を語ったりするよりもずっと音楽の核心を聴いているような気がする。しかしまぁ音楽教育のシステムでだんだん耳が狭まっていく運命にあるのだけれども...。
巻上さんはじめ、出演者のみなさま、スタッフのみなさま、お疲れさまでした。そしてありがとう。