講義。

岸野雄一氏のご紹介で、映画美学校の特別講義枠で講義、というか、喋ってきました。夜7時〜9時半までの2時間半。当初、2時間半なんて、途中でネタ切れになったらどうしようとかとても心配していたのですが、終わってみると2時間半じゃ全く足りなくて、あと4、5時間は平気で喋れるような気がしました。それほどたくさん言いたいことがあった。
レーベル運営講座ということで、いかに私は愚かであるか、みたいなことを中心に喋ったのですが、受講生諸君のアツい質問・意見や、岸野さんの絶妙なフォローによって、なんとか二時間半、切り抜けました。それにしても、オレ自身がすごく楽しかった。めっちゃ楽しかった。
受講生諸君にこんな私のつたない喋りを楽しんでいただければ、こちらとしても望外の喜びです。講義が終わってから数人の方に「面白かったです」と声をかけられたので、ちょっとは安心しておりますが。しかしその数人だけだったらどうしよう、と不安にもなります。
そして反省点も多々あります。言いたいことがあり過ぎて、話があっち行ったりこっち行ったりして、まとまらなかったこと。主題から話が逸れ過ぎて戻るのに苦労すること(これは途中で気づき常に今喋っていることの主題を意識し始めました)。一人称(私・僕・オレ)が定まらないこと。などなど。ちゃんとギャラをもらっているので、その辺はお聞き苦しい点がないよう、今後の課題としますので何卒ご容赦を。
楽しいと思ったのは、私の喋りと岸野さんの喋りに加えて、受講生諸君の質問が予想以上に多かったことです。これは楽しい。やっぱり一方的な喋りだとどうしても、私の居心地が実に悪いんです。双方向のやりとりが私は圧倒的に楽しい。大学の、少人数のゼミをふと思い出しました。そして質問の内容に関してはハッとさせられるようなことも多く、実に有意義でありました。岸野さん、受講生のみんな、ありがとう! ホントに楽しかった。またやりたいです。ネタはまだまだありますので岸野さん、また誘ってくださいな。
ただ、これだけは言っておきますが、受講生諸君、私の話は実生活/実体経済に何の役にも立ちません。しかし、何の役にも立たない話、というのが実は最も重要なのであると私は思っております。講義の後半の話。あの私と岸野さんのズブズブな話が、実は最重要事項であります。重要な話というのはえてしてスムーズに流れないのが世の常であることを心に留めておかれたいと願う次第です(と自分を慰めてみました)。
岸野さんの鋭敏な思考とお気遣いはいつも全く恐れ入ります。今度は一緒に晩飯食べに行きましょう!