ひと段落。

はあ〜、終わった。とにかく昨日の今井和雄トリオ・ライブ@なってるハウスで、とりあえずは重要案件は終了。横浜エアジン、合羽橋なってるハウスに来ていただいた方々、CDお買い上げの方々、本当にどうもありがとうございました。ライブに来れなかった方々、今井トリオ未聴の皆さんは是非今井和雄トリオ/Blood(CD + DVD)3,000円也をお買い求めください!


24日(金)は一度渋谷に行き、来日したばかりのアラン・カミングス氏(イギリスのオルタナティブ音楽誌WIREに積極的に日本のアンダーグラウンド記事を執筆。本職は大学教授。)に会い、今井和雄トリオの新作をお渡しする。彼は今井さんの音楽の大ファンで、是非新作が聴きたい、ライブにも行きたいが学会などの用事があるので多分行けないとの連絡も頂戴していたので、彼の滞在しているホテルまで行き、ロビーで少し話し、その足で急ぎで横浜エアジンへ。
今井トリオとトリスタンさんの組み合わせというのはどのようになるのか、予測がつかなかった。今井トリオは現状(ギター+ノイズ+ノイズ)でひとつのグループとしての音楽を確立していると思えるので、チェロの音が今井トリオのサウンドをぶち壊すのか、それともその中にとけ込んで別の音楽が生まれるのかの予測がつかなかった。ふたを開けてみると、以外にも後者だったことには少なからず驚かされた。特に"Albert's Love Theme"での、トリオの細かく速いパッセージの演奏中、トリスタン氏は悠然とチェロでロングトーンによるメロディを奏でたこの数分間が、私にとっては至高の時間であった。音が加わることによって音楽が豊かになる証明の典型であると思った。今井トリオの音が今井トリオの音ではなくなりつつ今井トリオの音楽が鳴っている。


25日(土)はタワレコ新宿店ニュー・エイジ・フロアのリクエストを受けて、DVDプレイヤーを持ち込み、今井トリオの展示場所にDVDプレイヤーの設置を依頼。ポータブルDVDプレイヤーなんか持ってないので、秋葉に行って中古のそれを5,180円也で購入し、その足で新宿へ。その足、というのは自転車です。配偶者とともに。タワレコ新宿店ニュー・エイジ・フロアで、ポータブルDVDプレイヤーの設置に関してお店の人と相談してたら「何しとんねん」と芳垣安洋ナンバジャズ・ドラム担当)が登場。CD物色中であった。「沼田、これはな、タワーがリクエストしてCD化されたレアなあれでな、云々...」と解説が長そうになったので「じゃオレ8階でロックでも見てくわ」と退散。その後兄貴はジャズフロアに立ち寄り、おそらく沢山のCDを購入したと思われる(未確認)。


26日(日)。今井トリオ飛び石ライブ二日目@合羽橋なってるハウス。北里さん、IMJ鈴木さんも来られる。金曜日にも増して良い演奏だった。演目も金曜日とは異なった。良い演奏? しかし「音楽的になる」ことを否定するはずの今井トリオが次第に音楽的になってゆく矛盾は避けられ得ず、その間に宙づりになりつつ音楽家は演奏を続ける。ノイズを本来の意味でのノイズとして機能させるためには? ギターをノイズとして聴かせるためには? 今井さんは「地と図」という非常にシンボリックなアナロジーでオレに説明してくれた。そしてCDのライナーでも的確に今井トリオの目指すところが書かれている。良い演奏、つまり「音楽的に上手く行った」ところをファンは評価し、人気が出てゆくのだろう。しかし本人にとってそれは必ずしも満足なこととは限らない。
オレはやはり古風い流儀の聴き手なのだなあとつくづく思うことがある。ジャズ的な聴き方の弊害がここに来て自分の中であらわになってゆく。良い演奏とはな何なのか、どのような演奏を良い演奏というのか。今井トリオはそれを私に常に突きつけてくる。大友良英も然り。今後も今井トリオの動き(ライブ)からは目が離せない。
「もはや音楽に対峙する雑音はない。」(今井和雄ライナーより)


ライブ終了後は、今井さん、鈴木(學)さん、伊東くん、ヒグチケイコさん、そしてオレの5人で、レコ発ライブ終了及びCD/DVD発売記念で、打ち上げに。なってるハウスの近くの居酒屋「みっちゃん」。なってる関係者御用達の居酒屋のようで、さすが、なってる関係者! さすがリマ哲ちゃん! 素晴らしくいい居酒屋です。おばちゃんもおっちゃんもとてもいい感じだし。こういう居酒屋は、オレ大好きなんですよ。みんなで2時まで。上記を含む色んな話を。お疲れさまでした!

 
(今井トリオ・リハ中)