多忙がずるずると継続する。

もう10月、つまり秋です。いや〜月日の経つのは早いもので、こないだ正月だと思ってたらもう年の3/4が経過してしまった。
10月1日(水)は渋谷LUSHにてライブ。そしてその前に六本木スーデラの灰野・大友のライブにビラ撒きをお願いして、渋谷に移動。LUSHにもビラ撒きをお願いして、ライブが始まるまでの間にジャケの色校を取りに、渋谷に事務所を抱え最近はパフュームで社員の生活安泰。のTKのナベちゃんのところへ。もうバタバタ忙しいのだが、バタバタ感てのは、一日のうちにいくつもの別種の仕事が重なるときに使用するのだなと思った。


LUSHのライブの一番の(オレ的な)目玉はナスノミツルの初のヴォ−カル・ライブ。もちろん他にも大島くんのCircuit Unconnectionとか村上くんのte_riとか、あったんだけど、一応ナスノミツルのリーダー作品の曲をライブで演奏するとなると、私が行かないわけには行きませんがな。
とても小さな音量で弾き語られるナッスンの、約30分に及ぶ「The Next Minute」。CDでは大友良英ターンテーブルのノイズと鬼怒無月のアコギの狭間からナッスンのヴォイスが弱々しく聴こえるという名曲(とオレは思ってる)で、ライブではその、ノイズとアコギの役割を高田くんがひとりで担ったわけだが、これが実にハマってて、抜群に美しかったのだった。ナッスンのヴォイスは、もしかしてカヒミさんの囁きよりも小さく、しかもベースは最近購入した中国製のものすごく安いヤツで、ピアニシモで弾く時はとてもいい音がするのだが、フォルテの時は弦がビビったりする。 しかも高田くんのDJも時折予期せぬノイズが入ったりするのだが、それらが実にこの「The Next Minute」にハマっているのだった。観客もその30分間、微動だにせずにナッスンと高田くんの作り出す音楽に持っていかれていた。
「持って行かれた」というのは、全く素直な感想で、この素晴らしさを表現できる言葉がなかなか見つからないのである。とにかく「持って行かれた」。ナスノミツルの音楽。私はこの音楽がとても気に入って、CDを出したのだが、なかなか売上枚数が思うように行かない。しかし、なんだか、そんなことはどうでもいいように思えてきた。こんなにオレを「持ってゆく」彼の音楽の強さが、オレを惹き付けて止まない。ナッスンと高田くんには「次はオレがブッキングする」と約束した。その時は皆さん、是非彼らの力強い音楽を体験していただきたいと思う。10月1日にLUSHに居合わせた人たちは、本当に幸いだと思う。バチ当たるぜ。


2日(木)はGOKサウンドにて、梅津和時の次作のソロ録音。梅津さんが各々のライブで公表しているらしいので、ここでも公表するが『梅津和時、演歌を吹く』です。その演歌の選曲はまぁまだ秘密にしておきますが。
で、本日28テイク録音! もう、梅津さんのタフネスに頭が下がる思いであります。しかもコンソール.ルームにいるオレを泣かせてくれる! なんか昨日も今日も、音楽の力強さをモロに受け止めて、オレ、もしかしてバチ当たって早死にするかも知れんぞ、とちょっと恐ろしくなったくらいだ。選曲はまだ明かしませんが、明かしてもいいんですが、もうちょっと引っ張ろうかな、という、でもそれならブログに書くなよ、とツッコミが入りそうですが、まぁ私の底意地の悪い性格と思っていただいて結構でございます。でもある程度トシのいった人なら誰でも知っているメジャー系の演歌です。演歌はやっぱり、いい。ド演歌もいいし、演歌歌謡、もしくはムード歌謡と呼ばれていた種類の曲も、抜群にいい。これは「日本人」(デリケートなことにわざわざカギカッコを付けてます)としてのオレの「血」(デリケートなことに以下同文)なのか。とにかく、むせぶアルト、うねるクラ&バスクラ、はるかなるソプラノに私のハートはハートブレイキンなのでありました。梅津さん、スゴすぎ。明日も続きますが、明日は数曲の再録音とテイクのセレクトです。


疲れております。コンソール・ルームで梅津さんの演奏に感涙にむせびながら今井和雄トリオのプロモ用DVDを一生懸命焼きつつ、ジャケの色校もやったりして、感情方面も論理方面も、頭使いまくりの今日この頃。多田葉子と「脳みそ洗浄できれば、この凡倉な脳みそも少しはマシになるかもね」などと話し合いつつ、実は明日もとても楽しみなのである。