ポール・ニルセン・ラヴ 2デイズ。

3月末の二日間はポール・ニルセン・ラヴ/ペーター・ブロッツマンの出演する新宿ピットインへ。いやー、二日ともすごく充実した内容だった。初日はその二人に八木美知依が加わったトリオが1stセット。坂田明が加わったカルテット編成が2ndセット。ブロッツマンの音色と八木の箏の音は、意外と相性がいい。意外と、という言い方もちょっと変だけど。箏といっても八木の奏法が非常にバラエティに富んでいるので、箏には聴こえないような音のシーンは、音だけ聴くとまるで別人がステージに居るかの如く。坂田さんとブロッツマンの二管吹きまくりも凄まじかったな。静謐な演奏が限りなく美しかったのがとても印象に残っている。二日目は大友良英ナスノミツルとニルセン・ラヴのトリオからスタート。ゴリゴリの50分ノンストップ。あまりの心地の良いサウンドに途中、仮眠。隣の牧野くんも仮眠。斜め前のお客さんも仮眠。爆音というのは何故仮眠を誘うのか。よくわからない。ブロッツマンは本当は公然の秘密でびっくりゲストだったのだが、ファーストセットから会場をうろうろしていたので誰もびっくりしなかった(笑)。大友、ナスノ、ニルセン・ラヴ、ブロッツマンのカルテットはLAST EXITの再来? と思ったが、まぁ全く違う爆音だった。それにしてもブロッツマンの体力は凄まじい。もう60代中盤くらいの年齢だと思うが、肺活量とサックスの音の大きさは凡百のサックス奏者を軽く凌駕している。演奏終了のアクションでジャンプしてたし。スゲーや、やっぱり。
ポール・ニルセン・ラヴはどんなドラマーとも比較できない独特のリズムを叩き出す。そして小さなチャイナ・シンバル(これがもの凄く良い音! オレも持ってたんだけど、クヌート・オーレフィアールというノルウェーのドラマーにあげた。それを彼は録音で使ってた。ちょっと嬉しい話。)を自在にコントロール。素晴らしかった。今年の秋頃にThe Thingを呼びたいとのマーク・ラパポート(お疲れさまでした!)のアナウンスがあった(この時会場どよめく)。
ライブ始まる前にユニオン新宿ジャズ館に行ってCDを買ったが、『ラ・グリマ』が置いてなかった。売り切れなのだろう。ちょっと嬉しいような悲しいような。