Richard Pinhas Band @ 吉祥寺スターパインズ・カフェ。

2日(土)、リシャール・ピナス・バンド@吉祥寺スタパ。に行ってきた。エルドンには一時すごくハマった時期があって、ピナスのプウィ〜〜ポ〜〜というギターとズドドドドドドというシンセの音があるだけで興奮できたという、とてもわかりやすいエルドン・ファンなのだ。初来日ということでとても期待した。わくわくしていた。『スタンバイ』や、通称・溶鉱炉『Un Reve Sans...』のサウンドを期待した。しかし。どうだったんだろ? ファースト・セットは吉田達也ソロ。ルインズ・アローン状態で、過剰に詰め込まれる隙間ない音。吉田達也の音はいつも明るくて楽しい。その、「何もそこまで」という過剰さと、音の構成のあほらしさ加減がとてつもなく素敵だ。ドラムを休んでサンプラーでインプロをかますその楽しさも抜群だ。嬉しくて笑みがこぼれる。
さて件のR.ピナス・バンドだが、一部エルドン的なシンセのシークェンス・サンプリングやピナスのギターは聴けたものの、まぁここ十数年のピナスの新しい作品を全く聴いていないし、70年的なものを期待するオレも間違っているのだろうが、少なくともそういうオレに期待は外れた、とだけ言っておく。(つまりそういうサウンドを期待しない人々にはけっこう良かったかもしれない。)ラップトップを操るにいちゃんのヴォリウムが一部激しくでかくてバランスが崩れ、ピナスのギターの音が聴こえにくかったりしたのがちょっと不満。ドラムのパガノッティさんは凄かったな。吉田達也とタメを張る凄いドラム。3セット目で2ドラムになったが、ドラムの二人は凄かった。もうほとんどノイズ・ミュージックだった。演奏の終わり方も奇妙だった。スコっと終わらずに目配せで終了しようとするが、それも何かままならない感じ。ラップトップのネタも2セット目と同じシークェンスが出たりと、基本的には「セッション」には向かないタイプのグループなんだろうなという気はした。でも轟音はなかなか気持ちよかったよ。立ちっぱなしで足腰にキタけど。
結局何か、追憶に浸りたい的な聴き方であのライブに臨んだオレがイケナかったと思うのだ。70年代のエルドンとは全く違うぞ、という心構えで臨めば良かったのだった。それはどのライブに行く時も同じだ。過度な思い入れと期待は演奏する側にとっても非常に迷惑なことだろう。そんな当たり前のことを終演後、改めて思ったのだった。
ピナスはステージでトレードマークの(ってオレが思ってるだけ?)煙草をくわえ、ちょっと太ったけど、やっぱカッコよかったなー。帰り際握手をしてもらい、「あ、ど、どーも」と言ったら、吉田達也はじめ見ず知らずの周りの方々に妙にウケた。