ライブ二日。座談会一日。米タワレコ倒産。

25日(金)はさがゆきsings大友良英produce "See You in a Dream" ツアー初日@森下文化センターへ。ブッキングは森歌ちゃん。コーディネイトはキャロサンプ野田っち。私はONJOやギターソロなどのCDを売りに、と思ったら商店街の酒屋のおっちゃんとおばちゃんがビールとかコーラを売りに来ていて、開場時には一人で店番と聞いたので「おばちゃん、じゃあオレも手伝うわ。」とビール売り場を手伝うことにした。ダウトミュージック初のビール販売(笑)。俺が店頭に立つとモノが売れない伝説を覆すぞ、と。開場のゴタゴタ終了後おばちゃんに「今日、いつもと比べて売上どうだった?」ときくと、おばちゃん「う〜ん、いまひとつだったねー」と。ガッカリ。ファーストセットとセカンドセットの合間からはおっちゃんも手伝いに来たので、オレは売り場を離れ、最後に案配を尋ねるとおばちゃんの酒屋でオリジナルで作っている日本酒が全て売り切れたそうだ。ガッカリ。やっぱりオレは店頭に立たない方がいいのか...。
コンサートはゴージャズなメンツでの中村八大集で、研太とタイセイくんの2管も加わった(これは東京のみ)アレンジは素晴らしいものがあった。私は個人的に最後の「どこかで」にジーンと来まして。胸に迫るものがあった。絶妙なタイミングで切り込んでくる渋谷毅さんのピアノの一粒一粒も優しくかつ力強く。名古屋(29日)、京都(30日)の方も是非足を運ばれた方がよいかと。http://www.callithump.info/
そしてこの素晴らしい音楽が詰め込まれているCDはこちら。http://news.fmn.main.jp/?eid=158510
打ち上げは3時ちょい過ぎまで。外に出ると土砂降りの雨。自転車で来た私はずぶ濡れで帰った。打ち上げのみに参加の水谷浩章も。翌日、ライブで再会したともちゃんに「昨日みんな帰れたの?」ときくと「水谷さん、最後またズブズブになってたんで、みんなで放っといて帰りましたよ!」(笑)ちゃんと帰られたのでしょうか、水谷くん。
26日(土)は柳原陽一郎+ウェアハウスのレコ発ライブ@スーパーデラックス。7時から始まって11時まで!という長丁場。立ちっぱなしは疲れましたです、ハイ。ジュリエッタ・マシーンは江藤直子さんのグループで、ライブ見るのは初めて。涼しげで、ちょっと捻れてて、いいサウンドですね。今度また行きます。日比谷カタン・ソロ。ライブを観るのは二度目だが、素晴らしい! 初めてライブを観たときはひたすら暗く陰鬱なイメージがあったが、今日は全てが弾けてた感じ。ギターのスピード感も抜群! 巻上公一ソロ。普段とは客層の違う観客をも引きつけるパフォーマンスはさすが。観客はテルミンとヴォイスで一気に持っていかれてた。コンボピアノONJOのレコ発でもお世話になりました。本日は芳垣さんゲストということもあってかガツンと力強いところを。終了後、仙台のつかぼんさんや青山さんのことで話が盛り上がり、巻上さんのCDを購入していただく。ありがとうございました。最後のセットは本日の主役柳原陽一郎+ウェアハウス。ほんのりとまったりとした上質なポップス。高良さんのドラムが良かったなー。高良さん、アート・アンサンブル・オブ・シカゴみたいだった(笑)。それにしても長かった。やはりこの手のイベントは3時間くらいが限界なのかなー。終電ギリギリ間に合い帰宅。
27日(日)日本で一番高柳昌行が売れるショップ、明大前モダーン・ミュージックは既に初回納品分(日本一の枚数を納品)が売り切れ。生悦住さんから昨日ケータイに留守電が入っていた。次いで日本で二番目か三番目の枚数を納品した鈴木美幸のImprovised Music from Japanからも電話。初回納品分売り切れた、と。いやー嬉しい。で、鈴木美幸のところは明日納品に行くとして、今日はモダーンに納品だ。納品終了後、そういえばキッドアイラックで杉本拓らが主宰する批評誌「三太」の座談会(杉本、角田俊也、吉村光弘、司会:大谷能生、ゲスト:大友良英)をやっていることに気付き、途中から参加する。途中から入ったので全く話は見えなかったが、セカンドセットの質疑応答あたりから話が見え始めた。意見は後日書くことにしたい。

ところで米国タワーレコードが倒産した。ネットのニュースを片っ端から読んでいくとネット配信に押されたとかiPod人気でCD売上が減ったとか、わかったようなことが書かれてある。もちろん音楽のメディアの変遷でショップが苦しくなるのは事実だが、根本の原因は果たしてそこにあるのだろうか。私は違うと思う。いや、決して全否定するわけではないのだが、根本原因というとやはり制作者側(主にレーベル)の音楽センスの無さ、新しい音楽への理解の無さと大量生産・音楽需要過多により多く起因しているだろうと思う。しかしこれは数値上には表れないので説得力を持たないし、論理性を欠いているし、政治的な力も働いているだろうから、より分かりやすい「メディアの変遷」というところに落とし込むのだろう。書き出せば長くなるが、ニュースを書く記者も注意深く記事を書いてほしいものだ。上っ面の「音楽シーン」をさも知った振りしてやれネット配信だのiPodだのと更に需要を煽るような書き方をされては、特にマイナー・シーンの音楽にけっこう打撃を与えるのだ。いわゆる大衆を操作することさえ出来るニュース・メディアとはこういうものなのだな、と遅ればせながら肌身で感じたのだった。これも後日また続きを書くことにしたい。