桜咲く。

全く忘れていたのだが、浜田真理子さんのウェブサイトの日記と共同通信の記者・佐藤大介からのメールで思い出した。全国約40誌の地方新聞に「団塊世代のアイコン」というシリーズで連載している記事の第10回目のテーマが「ジャズ」で、大友良英がデカデカと載っている。早い新聞は既に先々週に掲載され、先週、今週と各々の地方紙のスケジュールによるのだが、そのシリーズを掲載している新聞を読んでいる方はチェックしてみてください。ちなみに関東地区でそのシリーズを連載している新聞はありません。残念なことですが。でも北は北海道から南は沖縄まで、ほぼ全域で掲載されているはずです。嬉しかったのは副島(輝人)さんがセレクトした60年代からの日本のジャズの中に00年代の一枚としてONJO / Out To Lunchが入っていたこと。ちなみに60年代は山下洋輔トリオ『ミナのセカンド・テーマ』、70年代は富樫雅彦『スピリチュアル・ネイチャー』、80年代はどくとる梅津バンド『ライブ・アット・メールス』、90年代は渋さ知らズ『渋祭』、そして00年代にONJO『Out To Lunch』と。かなり偏向のラインナップ。でもその偏向がそっくりそのまま副島さんの批評となっているところが面白い。こういう世の中なので一言言っておかねばならないのが辛いのだが、私は共同通信にも地方紙にも副島さんにも一銭もカネを払っておりません(笑)。つーか払えるはずないし。
上野公園に行くと桜が咲いていた。2割くらいか。いくつかの木は満開である。こりゃやはり天気予報通り、ピークは今週土曜日のようだ。それにしても桜の花はなぜこうまでオレの心を何かに掻き立てるのか。その「何か」は何なのか。ビールってのもあるだろうが、なにかこう、その一瞬性の美というか潔さというか、そういったところにどうしょうもなく惹かれるようだ。と自己分析してみた。一瞬性が限りなく美しいのだが、悲しさを誘う美である。やがて散りゆく可能性を限りなく表現する一瞬性。オレの人生も事故がなければあと20年とかだろうが、生命に満ちあふれるものはやがて死にゆくという悲しさを強烈に意識させるのが桜の花なのだ。美しく咲く桜の木の下には死体が累々とあるという。その霊魂が桜を美しくさせるのだろうか。しかしそんなことは意識せず、花見で風流にビールを呑むのが好き、というのは大前提(前提?)として、ある。風流であればやはり日本酒か。桜の花吹雪の中で呑む酒は本当に旨いと思う。今年はどこに花見に行こうか。意味なくギャーギャー盛り上がってる酔っ払いが大勢いるところだけは、絶対に行かない。