ONJT+ プレスリリース。ボツにしたテキスト。

つくったCDを売るためには、小売店や配給会社もしくはメディア関係に、売っていただくための「惹句」をこちらで考えなければなりません。つまり英語で言うところの「プレス・リリース」がそれに当たるのですが、今日はそれを一生懸命作っておりました。こういうことをしていると、自分の才能のなさに呆れてしまうばかりです。人の気を惹くようなうまいキャッチフレーズが全く思い浮かばない。
そこで活躍するのが広告代理店という商売です。広告宣伝を代理制作してカネを得るという資本主義の最先端を行く彼らが高収入を得ているのはいかにも納得できる客観的事実なのであります。ああカネがあったら広告代理店にハイカラな宣伝文句を作成してもらいたい。
世の中、だいぶ昔から広告宣伝が全てになってきており、有名タレントを起用したCMとか有名タレントに推薦文を書いてもらうなどしてその商品をアピールするわけですが、その商品の内実よりもむしろどのようなタレントを起用するかによってその商品の信頼度が高まる/落ちるような錯覚がまかり通っておることに憤りを感じているのは私だけではありますまい。(ただしキンチョーのCMなどは大変好感を持っているのですが。)
広告宣伝はとても難しい。特に、音楽という、生きる上で不必要なものを売って行くということはいかにもそれが必要であるかの如く惹句を生み出さなければならない。しかもそれがウソだとバレないように、慎重に。


以下、11月25日発売のONJT + / Lonely Woman と ONJT + / Bells の二作品のプレスリリースを作るにあたって、ボツにした文章をここに掲げます。最終的に出来上がった文章は近いうちにdoubtmusicのウェブサイトに上げますが、事実に即した何の惹句にもなっていないような文章になってしまいました(クスッ、くらいの笑いもあり)。


 オーネット・コールマンが『ジャズ来るべきもの』で「ロンリー・ウーマン」を世に問うたのが1959年。アルバート・アイラーがN.Y.のイースト・リヴァーで死体で見つかったのが1970年。この約10年間がフリー・ジャズの全盛期だったと言えましょう。
 「フリー・ジャズオーネット・コールマンに始まり、アルバート・アイラーで終わった」。そう言い切ることが出来ればすごくカッコいいとは思いますが、そんな単純なことでもありません。しかしある意味この2人がフリー・ジャズという「現象」を象徴しているのには異論がないことと思われます。
 「フリー・ジャズの死」から40年。この40年で音楽の状況は著しく変化してきました。その変化とは何だったのか、それはこのONJT + の二作品を聴くことによって解答が得られるかもしれません。
(ボツ ー 理由:長すぎる。しかもなかなかONJTが登場しない)


大友良英は2004年にONJO大友良英・ニュー・ジャズ・オーケストラ)を組織し、それまでのONJQ(大友、菊地成孔津上研太水谷浩章芳垣安洋)をさらに拡大した現代的な「フリー・ジャズ」を一貫して追求してきました。
(ボツ ー 理由:なんだか真面目すぎる)


doubtmusicから発売されたONJO大友良英・ニュー・ジャズ・オーケストラ)は、世界各地で話題を呼び、ジャズにとどまらない(途中で諦め)
(ボツ ー 理由:なんとなくダサい)


広告代理店は、確実につとまりません。雇うカネもございません。しかし商品の内実には自信があります。ああ、才能が欲しい。