Festival Neo Voice #1。

巻上公一&天鼓プロデュースによる"Festival Neo Voice #1"の第一日目に行って来た@青山円形劇場。思うにヴォイスほど自由で、かつ不自由な「楽器」はないんじゃないだろうか。訓練によって微分音を操ったりマルチフォニックに音を出したりできる反面、楽器というメディア(媒介するもの)が自らの喉と口のみであるという直接性は、より自らの表現力を晒さなければならないシビアな状況におかれる。特に今日のようなヴォイスのソロの場合においては。
第一部=吉田アミ、蜂谷真紀、灰野敬二、第二部=さがゆき、巻上公一、天鼓。各々の持ち時間(多分20分)が終盤にかかるとライトがフェイドアウトするのをきっかけにパフォーマンスを終了するという打ち合わせがあったと思われ、時間はキッチリと進行して行くが各々のパフォーマンスは20分を感じさせないものばかりで、各々の表現とテクニックを十分に堪能した。吉田アミハウリング・ヴォイスと静寂の往来、蜂谷真紀、さがゆき、天鼓の、各々の表現は全く違うが実験演劇的なパフォーマンス、灰野敬二の絶叫のカタルシス巻上公一の喉鳴らしとリズムの快楽。
気になったのは灰野敬二のパフォーマンス中、客席から笑い声が漏れたことだ。意図せざる笑い声に灰野さんはどう感じたのだろう。全身全霊のパフォーマンス中のその笑い声はオレの感情までをもシラケさせた。別に「灰野敬二はこのように聴け!」などと強要するつもりは一切ないが音楽家の意図を汲み取るリテラシーくらいは持ち合わせていただきたいと思った。
それを除くと全体的にはすごく良いコンサートで、実に私好みのプログラムであった。"#1"ということは"#2"に続くに違いない。29日、30日も別のプログラムで開催されているので、皆さんも是非この機会にヴォイスの魅力を体感していただきたいと思う。
http://www.makigami.com/neo-voice.html


会場に来ていた大谷(能生)くん、康(勝栄)くんとそそくさと呑みに行く。途中から(吉田)アミちゃん合流。すっと呑んですっと帰るつもりがついつい話が長引いて終電で。アミちゃんからお土産もらう。それにしても真冬並みの寒さ。北海道の昆布焼酎呑んだので比較的温かになったので耐えられたけど、ガスストーブ仕舞って冬のジャケットをクリーニングに出したとたんにこの寒さ。桜も三分咲きだというのに。


(以下私信)巻上さん、ご挨拶もせずにそそくさと帰ってしまいました。ありがとうございました。