ライブ 3件。

文章が書けなくて困っている今日この頃。本を読めば読むほど文章が書けなくなる。いわゆるスランプというヤツですな。最近読んでいるのは言語学関連の本ばっかり。言語学つったって構造主義やらポスト構造主義やらにつながるやたら小難しい本じゃなくて、入門書とか解説書とか難易度の低いものですが。
書けないというスランプを回復すべく、最近みたライブの話でも。
8/31(金)今井和雄トリオ@なってるハウス
伊東篤宏(オプトロン)、鈴木學(エレクトロニクス)と今井さんのトリオ。伊東くんから「今井さんのトリオやってるんだけど観客少なすぎて困ってる」という話はよく聴かされてて、そりゃ絶対に面白そうだというのと(これはなんとなく「勘」ですね)、こないだの井野さんの時の今井さんのギターがスゴく良かったので。このトリオの面白いところは伊東くんと鈴木さんの騒音と、今井さんが正しく弾く曲(A.ピーコック、O.コールマン、他)との並列で、聴き方によってはどちらもが本来の意味でのノイズの可能性を秘めているところ。もちろん3人がガーっとノイジーに演奏するパートはオレのツボなのだが、相対する音のテクスチャーが同時進行で離れるでもなく寄りそうでもなく並列しているところ。かなり楽しませていただきました。
9/2(日)UA@日比谷野音(昼の方)
内橋和久にインビをもらって、配偶者とともに自転車で出かける。野音のライブは20年ぶりくらい。野外ってあんまり好きじゃないのだ。バックにはうっちゃん、外っち、タイセイくん、鈴木正人さんなど知ったメンツばっかり。あ、サックスの塩谷さんもDIW時代に実はお世話になったな。
UAは本当に声がのびやかで素晴らしいですね。バックのコーラスで3声ハモリというのも良かったと思う。バックの演奏はもちろんこのメンツで悪かろうはずがない。新譜の曲たちも若干アレンジが変わってたりして、ライブならではの楽しさがあったし、音楽自体は最初から最後まで楽しませてもらった。音楽自体は、と但し書きを付けたのは、ライブの間に二度挟まれたトークコーナーが、ちょっと胡散臭かったからだ。主に環境問題と戦争についてゲストを交えて語ったのだが、そういうのをライブの間に挟み込むのはいかがなものか。もちろんUAがそういったことに関心を持ち真摯に考えようという態度は評価できるのかも知れないし(実際「黄金の緑」の歌詞にツバルという言葉が出てくるしね)、彼女の主張の大部分はオレも賛同するさ。けどそういうのは、そういう場を設けて、つまり参加した様々な人の意見も言い合えるような場を作って音楽と切り離してやるべきではなかったのか。あれじゃ、ステージからの一方的な押しつけと受け取られてもしょうがないぜ。現にオレは「ひとりひとりが環境保全について何らかの実践をする」程度のことじゃ、環境破壊のスピードの足下にも及ばないと思うし、一番攻めるべきは米国のグローバリズムとそれに追随する国家と企業だと思う、というようなことを言いたかったけど、言う場は与えられていない。それに「自分の子供を戦争に行かせたくない」というUAの気持ちは本当によく分かるけど、じゃあそのために日本は兵器を保有すべきなの?それとも文字通りの意味で9条を堅持すべきなの?という部分で意見はまっぷたつに分かれるわけで。結論としてはとにかく、あのトークは必要なかった。音楽が素晴らしかっただけにそこだけが残念だった。(というかオレ自身が環境問題とかロハスとか、今一部で流行のそういうのを実践しようとはこれっぽっちも思っていないわけで、暑ければエアコンをガンガンつけるし、ジャンクな食い物を旨いと思うし、ペットボトルは専用の回収箱に入れるけどそれもどこか疑ってるし、都市に住む典型的な生活を楽しいと感じてるわけですよ。あ、ただマリファナは解禁してほしいなと思ってる。)
9/4(火)d.v.d.、石橋英子アルタード・ステイツ@月見ル君思フ
dvdのライブは初めて。デュオを発展させてビデオと音をコントロールしてより複雑化した印象。ドラムは二人ともタムなしの特殊セットだったのでちょっと単調に感じた。イトケンも小嶋くんもしばらくご無沙汰だったけど、またやりたくなってきたぞ。二人ともとても忙しそうだけど。石橋英子ちゃんのソロはクラシカルなピアノ弾き語り。途中でアルタードの3人が乱入、みたいな形でステージが進行。何曲か英子ちゃんの曲をアルタードと共に演奏した後に英子ちゃん引っ込む。あとはアルタードのインプロ独壇場。もうなにも言うことないっす。とにかくいつでもこの3人には圧倒される。手の内を知ってるとか知らないとか音に反応するとかしないとか、そういったレベルじゃないのよ、この3人は。この3人にしか生まれ得ないマジックみたいのが確実にあるのよ。このグループは、ホントに掛け値なしに、世界に誇れるグループだと確信している。みんなこれ聴け(宣伝だけど)。→ http://www.doubtmusic.com/dmf-109.html
久しぶりに暑かったのでビールをガンガン呑んでいい気分で打ち上げに突入(またかよ)。Pレコードの片山くんとうっちゃんとオレ。3人とも全く同じ方向なので一緒に帰ってくる。ちゃんと終電で(笑)。