フリクション。

『FRICTION The Book』という本が発売された。DVD付きで税込み3,990円と、決して安い本ではないが、フリクションのファンにとっては必携の本となるであろう。私も4ページほど書いたので買って読んでください。特筆すべきはやはり監修者・河添さんのフリクション批評だろうな。過去になかったフリクション批評であり、視点がとても斬新でしかも論点の軸がぶれていない。私がThe DIGに書いたフリクションの文章を参照せよ、と文中に書いていただいたことも嬉しかった。批評というのは対象に対して徹底的に自分を突き詰めてゆくことであることを再認識させてくれる。河添さん、ホントに面白かったよ。今度じっくり話しましょう。
付録のDVDも凄かった。実は私がフリクションのライブを初めて見たのは、東京に出てきた1981年。7月27日の新宿ロフトで、なんとその時演奏された「Pick Up」も入っていて、もうなんというか感激しましたです、ハイ。レックは珍しくベース指弾きでした。そして私が北海道でくすぶっていた時のラピスーヒゲ、ツネマツーヒゲ時代のフリクションの映像! この時代の動いているフリクションは初めて見た。噂には聞いていたものの、やっぱり突出した「気」のようなものを感じた。ちなみに旧譜3枚も同時に発売されたのでチェックされたし。私は『ダムナム』のライナーを書かせていただいた。オレはずっとヒゴさんのギターが左でラピスのギターが右だと、思い込みで書いてたの。そんで入稿してからP-vineの安藤くんに「沼田さん、徳間のにはヒゴさんが右でラピスさんが左だってクレジットがあるんですけど」という電話があって、確認してみるとたしかに徳間盤の『ダムナム』には肥後さんが右でラピスが左とのクレジットがある。とても混乱して焦ってしまったが、改めて聴くとヒゴさんの変則チューニングでよれよれになった弦の音がたしかに左から鳴っている。ここでクレジットミスであることが判明。現行盤はそのクレジットもちゃんと正された。思い込みが正しいこともあるのだなー。ロジックに対する感覚の勝利だ、などと一人悦に入った。ろくすっぽ徳間盤のクレジットなど見ずに書いたのがよかった(苦笑)。
さてフリクションがらみでちょっとした情報を。4月21日にナスノミツルとの合同企画「即効音楽場」の第二弾をやります。@月見ル君想フ大友良英(guitar)+ナスノミツル(bass)+中村達也(drums, ロザリオスフリクション)&オプトラム(伊東篤宏 optron+進揚一郎 drums)+ナスノミツル(bass)。詳細は数日後に公式発表しますので。