ONJO ジャパン・ツアー。他。

2月8日(水)・9日(木)
二日間、新宿ピットインに張り付いていた。ONJOのジャパン・ツアーの初日と二日目。大雑把な感想を述べると、一日目と二日目の演奏は全然違うものになったなー、と。私の席はCD売り場で、ステージが全く見えなかったのであった。わずかにちょっとずつカヒミさんとかSachiko Mの顔が見えるくらいで。その分、音に集中できたというか、何がステージ上で起こっているのかを想像できたのが逆に楽しかったというか。
初日終了後、まぁ明日もあることだしと、打ち上げもなしに皆各々帰途に着いたのだが、私と大友良英Sachiko Mは新宿の蕎麦屋に行って、ちょっと呑みつつ蕎麦を食いつつ、プチ反省会、というかまぁ比較的真面目にちょっとだけ話し合ったのだった。往々にして演奏者とリスナーの意見はズレるものなのだが(例えば演奏者が良い演奏を出来たと思うときに観客は不満だったり、演奏者がイマイチの演奏だったと思うとき観客は異様に盛り上がったり、とか。)初日のONJOのライブに関してはそこそこ意見が一致した。
演奏の出来・不出来というのは、音楽の善し悪しとは全く別物だ。演奏が良ければ音楽も良しとする安易ないわゆる古臭い、ジャズ的な発想は、いわば一生懸命練習して皆の前で発表して拍手をもらう学芸会の延長でしかない。そういう音楽とか、そういう音楽を評価するカスなメディアのおかげで、ONJOの音楽は相当誤解されてるんだろうなという危惧はあるのだが、私自身も完全にONJOの音楽を「理解」しているかと問われれば「すいません、理解してるんだかしてないんだかよく分からないです。」とおどおどしながら答えるしかない。でも少なくとも確信して言えることは、ONJOが目指しているのは「完成度」ではないということ。
延々と一定のビートが流れてて、ある時ポンっとブレイクが入って、その次の瞬間一糸乱れずにメンバーがポンっと音を出した瞬間って、やっぱりめっちゃカッコいいと思う。でも、それはひとつの価値観であって、全く逆の価値観、例えば時間が延びたり縮んだりする雅楽のように、ストトトっと音が入ってくるのもカッコいいなー、と思える人は、必ずしも一糸乱れずに音が鳴るのを完成度が高いとは思わないだろう。
まぁそういうわけで企業秘密ではあるが(企業? 笑)、大友の二日目に持ち込んだアイデアがめっちゃ功を奏したように思う。特に二日目の "Hat & Beard" と "Gazzelloni" の演奏は奇跡的ですらあった。是非見てみたかった(見えなかったので)。
暫定的に決定しているのはこのツアーの全てを録音して良いと思えるものをセレクトしてCDで出そう、と。その時オレに金があれば(笑)。明日は名古屋と明後日は京都。CDを出そうとしているヤツが言うのもあれなんだけど、すごく楽しみである。
二日目のライブ終了後はピットインを借り切って第一次打ち上げ。メンバー、スタッフ、特に新宿ピットインのスタッフの方々、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。そしてCDを買っていただいた方々も、どうもありがとうございました。
打ち上げには何故か高井康生が登場。帰り際「沼田さん、ブログ読んでますよ。」と言われたので名前登場させときましたよ、高井くん。3時半頃、水谷浩章とタクシーで一緒に帰る。タクシーの中で水谷浩章のディープな話を聞かされ、プチ人生論に及ぶ。


2月10日(金)
佐々木暁くんといつもの喫茶店でジャケ・デザインの打ち合わせ。なんと向こうに座ってお話をされているのは黒柳徹子であった。そのことをこそこそっと佐々木くんに言うと、佐々木くんもこそこそっと「さっきね、永ちゃん矢沢永吉)が居たんですよ。あまり露骨に見れないんで今居るかどうか分かりませんけど。」と。どひー。びっくり。既に永ちゃんは喫茶店には居られなかったが、でもナマ永ちゃん、見たかった。
夜、近所に立ち呑み屋が出来たので配偶者と一緒に視察に行く。ちょっとだけと思ったのだが、呑んで食ってなんだか色々と話し込んでしまい、いい気分になって帰ってきた。比較的ステキな立ち呑み屋さんであった。