出ずっぱり。

京都からF.M.N.の石橋さんがやってくる。11月に発売される「大友良英プロデュースさがゆきシングス中村八大」の営業・宣伝の打ち合わせ。12月にはONJO plays Eric Dolphy "Out To Lunch"も出るし、ターンテーブル・ソロも出るので、なんとか一緒になって盛り上げられないかということで。13:00に目黒のブリッジでブリッジ・金野さんと3者打ち合わせ。ちょっと早目に出てどこかで飯でも喰おうかと思ったのだが電車の乗り継ぎが悪く、時間がなくなったのでコンビニでパンとか買って道で喰って公園でコーヒーを飲んでたら石橋さんが登場した。一緒にブリッジの事務所へ。かれこれ2時間〜3時間ほど打ち合わせ、石橋さんは高円寺のホテルへチェックインしに、私は新宿のメタカンパニーに次のリリースのAndrew d'Angelo Trioの打ち合わせに。
その後、悪い気の流れる中央線に乗り高円寺・円盤に岸野さんの円盤大学を受講しに行く。本日のゲストは私もいつも本当にお世話になっている松山晋也さん。話の内容は非常に深く、いろいろと考えさせられることが多かった。音楽に関わる人は皆、矛盾を抱えながら仕事をしている。レーベル、批評、流通、販売、極端にいえば音楽家だって矛盾を抱えながら音楽を演奏している。その矛盾をえぐり出す非常に中身の濃いレクチャーだった。矛盾なく音楽に関わっている人などいるはずがない。ま、矛盾なく仕事をしている人などもいるはずがないのだが、その矛盾を感じなくなった時点で、もうその人は仕事の奴隷になってしまう。会社人間とは会社に「会社のために死ね」と言われれば喜んで死ぬ人のことだ。こういう人、意外と多いんですよね。怖い。国家に「戦争に行け」と言われれば喜んで戦争に行く人。
あ、話が逸れてしまいました。とにかく、音楽史観、批評、インターネットと雑誌メディア、などなど興味深い話ばかりで、あっという間に時間が経ってしまった。客席には石橋さん、編集・須川さん、編集・鈴木さん、タコシェ・中山さん、ライター・谷内さんなどの姿もあり、各々思うところがあるだろうけれども、皆身につまされる思いをしていたのではなかろうか。こういう場はとても私にとっては有意義であり、さすが岸野さんと松山さんのコンビだなーと思った。岸野さんが逆説的に言った「権威的な音楽史観があった方が良い」というのは実に深い言説だと思った。ここで私はすご〜く考えさせられた。多分岸野さんは挑発的にそのように言ったのだが、イエスの立場にしろノーの立場にしろ、この命題は実に多くの問題をはらんでいると思う。この問題提起があったことだけでも、凄いことだと思った。ここの場は多くの雑誌やメディアが見落としている批評の問題が確実に存在している。
帰り際もずっと岸野さんと電車の中で話をして帰ってきたが、全然時間が足らない。岸野さん、今度本当に深くお話ししませんか。たっぷり時間を取って。酒なしでも構いません。