今井和雄トリオ@新宿ピットイン所感。

ピットインはさすがに音の質とバランスが違う。通常は、爆音の時に今井さんのギターがふたりのノイズに隠れてしまうのだが、そして、それが今井さんのこのトリオに望むバランスなのだが、本日は爆音の時ですらハッキリと今井さんのギターの全体が聴き取れた。
サウンドチェックの時に今井さんは観客席にいるオレに何度もバランスのことを聴いたが、今日は今井さんの意図通りにはせず、あえてギターの細部までも聴き取れるようなバランスで良しとしたオレ好みの音で。もちろん今井さんには「オレ好みのバランスで今井さんの望むバランスではないですよ」と言っておいたのだが、お客さんは果たしてそのバランスをどう聴いたか。
演奏は3人とも今までのベストの演奏だと思った。というのは各楽器に反応するなどといったクリシェが見られなかったため。一時はやはり音楽家である以上コール&レスポンス的な「演奏してても楽しい/聴いてても楽しい」演奏に傾いても行ったのだが、本日の演奏は3人ともパラノイアックにバラバラであり、実にいい演奏であったと思う。ピットインの、演奏者の背後にあるPAを主体として出力しており、演奏者自身各々が他のメンバーの音が聴き取りにくかったという状況が、うまい具合に働いたのかもしれない。
帰ってから、今日録音した演奏を聴いてみたが、やはりCD/DVDと比べるとギターの音がかなり前面に出ていてちょっと違和感がある。こないだのレディジェーンのものと聴き比べるとその差は歴然としている。誤解のないよう言っておきますが、CDのバランスがベストの状態です。お持ちの方は是非もう一度それを意識しつつ聴いてみてください。