本年最後の週。

今年も本当に早く過ぎ去ってしまった。こないだ年が明けたと思ったらもう年末です。こういうふうな積み重ねで私はせいぜいあと10年くらい生きられればいいなあとは思っておりますが、いつ何時どのような事故や病気に襲われるかは分りません。10年というのは実に早い。そして人の欲望というのは、いや10年ではなくあと15年は生きたいなどと限りなくなってゆくもので、しかし死は確実にやってくる。これは真理なのです。
この唯一無二の真理から目を逸らしちゃいかん、と常々思っておるわけですが、その真理から目を逸らすための世の中の情報というのは実に巧みであり、むしろ真理から目を逸らすために世の中は動いているのではと思うこともしばしばあります。
ワイドショーは最も興味深い。つまりすでに生き死にとか、真理、とかそういった一切のことからスコーンと突き抜けております。この突抜け加減は、こういったうじうじした思考から解放してくれるもので、私もワイドショーの突き抜け感を身につけたいと思って早や三十年、いまだにうじうじしております。
お笑い番組なども時折死を匂わせるので突き抜けてはいません。好きですが。やはりワイドショーの突き抜けたあの感じはテレ・ヴィジョンという一昔前の最新テクノロジーの最先端でありつづけるわけです。テレ・ヴィジョンに代わったと言われるネット上の世界ではワイドショーに匹敵するほどの突き抜けたプログラムはまだないように思われます。
自分だけは死なないと思っているのが一番幸せです。幸せと真理というのは相容れないものなのですね。何が幸せと言われるものなのでしょうか。