差額室料(差額ベッド代)について。

高校2年の時の骨折以来なので、今回33年振りの入院ということになったのだけれど、昨日退院する時に、八日間の入院とはいえドカンと病院から請求書とその明細を渡された。詳しく見てみると「差額室料(外税)」という項目で33,000円(税込み34,650円)が請求されている。
差額室料というのは、入院する際に患者側のリクエストにより少しでもいい環境(個室であったり、窓側であったり)を提供し、患者側がその決められた差額分を負担するというシステムだ。私などは別に大部屋でもいいし、多少の環境が悪くてもベッドさえ確保してくれればいい。第一カネもないのでそんな贅沢なことは言ってられない。でもご老人や長期入院の方が少しでもいい環境で入院生活をしたいという心境とそれに対応したそのシステムはわからなくはない。
さて、その差額室料に関しては、厚労省からの指導で、患者側からのリクエストがない限り病院側が患者側にそれを請求できないことになっている。ところが、それを知らない人々は「しょうがないから」という無知によりみすみすその金額を支払ってしまっているというのが現状だ。もちろん私も入院時には知らなかった。入院が決まった時、医師に「空いているベッドがないから差額室料が出ますけど二人部屋でいいですか?」と問われ、空いてるベッドがないならしょうがないのでそこでOKして、サインをした。ところがそれを知ったヨメが差額室料に関して調べ上げて、「それは支払う必要ない」と主張したのだ。
「空いているベッドがないから」など、病院側の都合によって差額室料を請求することも厚労省からの指導で出来ないことになっている。あくまで患者側のリクエストがあった限りにおいて、病院側は差額室料を請求できる。


支払いの際、ゴネた。一応、支払いに行く前に厚労省に電話して「それは支払う必要ありません。もし病院側とどうしても決着がつかないようであれば第三者に仲介してもらう方がいいので、出先機関の『関東信越厚生局・東京事務局』、電話番号XXXX-XXXXにご連絡してください」との心強いオコトバをいただき、支払いの担当者と話し合いをした。相手側の唯一の依りどころは、私の合意サイン。しばらくモメて埒があかず「とりあえず医療費はキチンと支払うから医療費だけの請求書で切り直して。」と言い、それを出してもらい医療費はキッチリ支払いを済ませた。「上司とも相談の上、明日こちらからお電話差し上げますから。」という相手の言葉を最後に私は病院を出た。
そして今日病院から電話があり「入院時の状況から鑑みて、今回の差額室料はお支払いいただかなくても良いということになりましたので。」とのことだった。勝利した。


問題点は2点。病院側が厚労省の指導を受けつつ、その事を知らないであろう患者にサインをさせ、差額室料を請求したということ。サインをさせる際に室料差額に関する詳細な説明が医師からなかったこと。
もし退院するまでにそれを知らなければ何の疑問もなく室料差額34,650円を支払っているところであった。というか、疑問を持たずに支払っている人は沢山いるだろうと思う。そんな不公平なことは許されないのである。コトバは悪いが、グレーゾーンをいいように利用して無知な人々から金をとるのは止めてください。つーか、もっとしっかり指導せんかい、厚労省も!